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  ― 薬物療法 (全身療法)−

切除した乳がん組織の病理検査の結果や年齢から術後に再発するリスクを評価し、抗がん剤による化学療法とホルモン剤によるホルモン療法のいずれか、または両方を行います。更に最近は分子標的療法を併用する場合も増えています。

化学療法

化学療法とは、がん細胞を攻撃し、体内のがん細胞をころしたり、がん細胞の分裂・増殖を防ぐはたらきを持つ「抗がん剤」による全身治療をいいます。
乳がんの治療では、一般的に抗がん剤の作用をより強力にするために、何種類かの抗がん剤を組み合わせて投与する「多剤併用療法」が行われます。
ホルモンに依存しない乳がん(ホルモンレセプター陰性)の場合や、病理結果で再発・転移のリスクが高いと判断された場合に行われ、その結果、再発・転移の確率が低くなります。

*術前化学療法*
手術前にがんを縮小して乳房温存術を可能にしたり、目に見えない小さな転移を早期に根絶させることを目的としています。術前の化学療法では、抗がん剤の有効性ががんの縮小という形で目に見えるため、手術後や再発・転移時により適切な薬剤の選択が可能になる効果もあります。


<主な抗がん剤>

分類

一般名

主な商品名

記号

投与法

アルキル化剤

シクロホスファミド

エンドキサン

CPA

C

内服、注射

代謝拮抗剤

メトトレキサート

メソトレキセート

MTX

M

注射

フルオロウラシル

5-FU

5-FU

F

内服、注射

カペシタビン

ゼローダ

F

内服

抗がん抗生物質

塩酸ドキソルビシン

アドリアシン

ADR

A

注射

塩酸エピルビシン

ファルモルビシン

EPI

E

注射

植物由来

パクリタキセル

タキソール

PTX

T

注射

ドセタキセル

タキソテール

DTX

T

注射


<主な標準治療例>

治療法

治療薬

投与法

投与日

治療間隔

術後療法のサイクル数

CMF

シクロホスファミド

内服

1日目〜14日目

4週毎

6回

メトトレキサート

注射(30分)

1日目、8日目

フルオロウラシル

注射(5分)

1日目、8日目

AC

ドキソルビシン

注射(5〜30分)

1日目

3週毎

4回

シクロホスファミド

注射(60分)

1日目

CAF(またはFAC)

フルオロウラシル

注射(5分)

1日目

3週毎

6回

ドキソルビシン

注射(5〜30分)

1日目

シクロホスファミド

注射(60分)

1日目

CAF(分割)

シクロホスファミド

内服

1日目〜14日目

4週毎

6回

ドキソルビシン

注射(5〜30分)

1日目、8日目

フルオロウラシル

注射(5分)

1日目、8日目

FEC

フルオロウラシル

注射(5分)

1日目

3週毎

6回

エピルビシン

注射(5〜30分)

1日目

シクロホスファミド

注射(60分)

1日目

CEF

シクロホスファミド

内服

1日目〜14日目

4週毎

6回

エピルビシン

注射(5〜30分)

1日目、8日目

フルオロウラシル

注射(5分)

1日目、8日目

治療薬

投与法

投与日

治療間隔

術後療法のサイクル数

3週毎 ドセタキセル        (FEC療法後に行うこともある)

注射(60分)

1日目

3週毎

未定

3週毎 パクリタキセル        (AC療法4サイクルの後に行う)

注射(3時間)

1日目

3週毎

4回

Weekly パクリタキセル

注射(60分)

1日目

毎週

未定

カペシタビン

内服

1日目〜21日目

4週毎

適応なし

日本乳癌学会編. 乳癌診療ガイドライン1 薬物療法 2004年度版(金原出版) p11



ホルモン療法
乳がんの中には、女性ホルモン(エストロゲン)の影響を受けて、分裂・増殖が促進される性質を持ったものがあります。ホルモン療法は、エストロゲンの作用を妨げるホルモン剤を使ってがん細胞が増えるのを抑える治療法です。
ホルモン療法が適するのは、がん細胞にエストロゲン受容体(ER)やプロゲステロン受容体(PgR)が多く存在している『ホルモン依存性の乳がん』の場合です。ホルモン受容体の有無は、摘出した乳がん細胞を調べることによってわかります。
ホルモン療法の効果は、化学療法に比べゆるやかですが、副作用が少ないのが特徴です。

<主なホルモン剤>

適応

分類

一般名

主な商品名

投与法

閉経前

LH-RH アゴニスト製剤

ゴセレリン

ゾラデックス

注射

リュープロレリン

リュープリン

注射

抗エストロゲン剤

タモキシフェン

ノルバデックス

内服

閉経後

アロマターゼ阻害剤

アナストロゾール

アリミデックス

内服

エキセメスタン

アロマシン

内服

抗エストロゲン剤

タモキシフェン

ノルバデックス

内服

トレミフェン

フェアストン

内服

再発・転移

黄体ホルモン剤

メドロキシプロゲステロン

ヒスロンH

内服

分子標的療法

主にがん細胞にくっついたり、がん細胞が増殖するのに必要な酵素だけを抑えたりすることによって、がん細胞にのみ特異的に作用する薬剤による治療法のことです。乳がんに対しては現在トラスツズマブ(商品名:ハーセプチン)という治療薬が使用されています。

最後に

乳がんの治療法はどんどん進歩し、治療に対する考え方がずいぶん変ってきています。また、治療法は患者さんの状態によって大きく異なります。間違った情報を鵜呑みにするのではなく、医師とよく話し合い、患者さん自身が十分納得した上で治療を受けることが最も大切です。



★長崎県における乳がん検診について★

長崎県の検診についてわかる範囲で検索に役立つ情報を掲載しております。

1)各市町における検診の状況 *資料@
各自治体によって、検診が受けられる年齢、検診方法、料金、問い合わせ先等が異なります。また集団検診は検診期間が決まっていますので、各自治体の所属部署にお尋ねください。


2)マンモグラフィー検診が可能な施設 *資料A
個人で検診を希望される際には、曜日、受付時間、料金などを各施設にお問い合わせください。


3)長崎県内の医師会の連絡先 *資料B
検診可能な施設や検診指定病院などはお近くの医師会に尋ねられるとわかる場合もあります。


4)乳腺外科の診療を行っている病院 *資料C
既に乳房に気になる症状がある人は、最初から診断と治療を行える施設をお勧めします。 


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