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市 民 公 開 講 座 報 告






2013年2月23日(土)、この日は2月10日からの長崎ランタンフェスティバルの最後の週末で、会場の長崎歴史文化博物館の入り口にも大きな灯篭とおなじみの提灯が飾られていた。
会場内の準備が終わって、受付で参加者配布資料を準備し始めた頃に、さっそく最初の参加者が来られた。
2週間前までは、どれくらいの市民が興味を持って集まって下さるのだろうかと不安であったが、開始10分前までに会場はかなり埋まっていた。

 

 


第一部  ナチュラルフード〜体の中からキレイになる〜

 講師 樋口聡子先生(ナチュラルキッチンきらら マクロビオティック師範)

 マイクを持って動き回り、ジョークや鋭い批判、ときには自慢(?)話で笑わせながら、会場の参加者に長崎弁で語りかける講師のお話に、つくづく自分の食生活を大反省!
配られた小さい玄米おにぎりをほおばり、わざわざ持参された鍋(重ね煮)の中をのぞきこみ、砂糖の量が1.0 vs 0.5の差のイチゴジャムの舐め比べなど、キレイになる食事の作り方を体感する講演だった。

 まずは、マクロビオティックとは?…長く思いっきり生きるために大切な理論と方法で、大きな視野で生命(いのち)を見ること、自然の流れに沿った食事法や生き方をいう。

そのキーワードは、「一物全体」と「身土不二」

「一物全体」とは?…一つの物を丸ごと全体を食べること。つまり、野菜ならば、皮・根・種・葉もみな食べることであるが、例えば、人参では、その根元の生長点や皮や葉っぱにビタミンが集中しており、通常、私たちが捨ててしまっている部分にこそ体に必要な栄養素がたくさん含まれてので、これを食べなくてはもったいない!

「身土不二」とは?…身体と環境(土)は切り離せない(不二)のだから、人間が健康に暮らしていくには、その土地(地場産)、その季節(旬)に合った食べ物をとることが大切ということ。

そして、食べ物をふたつの視点から区別することで、どんなものが自分の体にいいのかを判断する指標になるという。

@酸性か、アルカリ性か?…酸性食品は血液が汚れて、病気になりやすく、アルカリ性は血液をきれいにするという。
A陰陽度は?…陰性食品は体を冷やし、陽性食品は体を温めるという。

つまり、昔から人間はその土地で手に入るものを食べて生きてきたが、それがもっともリーズナブルで健康を維持する秘訣なのだということ。
寒いところでは、体をあたためる食べ物(肉類など)をとればいいし、暑いところでは、体を冷やすもの(フルーツがイモ類など)を多くとってきた。
そして、温帯の日本では、極端な陰性・陽性の食品は不要なので、中庸のもの(ごはん=玄米、ひじき・ごまなど)やアルカリ性のものや発酵食品(みそ、納豆など)がいい。
日本人には、やはり伝統的な日本食、朝はご飯とみそ汁をお勧め!となる。でも、日本人が大好きな白いお米は、一番いいビタミンやミネラルの部分を捨ててしまっているので、玄米がいい…と。また、調味料はできるだけ天然のものを、お金をかけても選んだほうがいいとアドバイスされた。

なかなか、わかっていても食感や調理の時間を考えると、「そこまでは無理!」という人も多いだろう。
ただ、この考え方を知る前後で育てたお子さん2人の性格が違ってきて、マクロビオティックにこだわって幼少期を育てた下のお子さんは、キレる事がないというと、もしかすると、このような視点での食事選びは本当に大切なのだとわかる。



第二部  昨日よりちょっと素敵な私〜形成外科医が語るアンチエイジング〜

 講師 鬼塚圭子先生(さくら形成外科クリニック院長)

形成外科とは… 先天的あるいは事故・外傷などによって、体表の異常が生じて日常生活に身体的あるいは精神的に問題があるものを外科的に治療する分野であり、現状で正常のものをbetterに、あるいは本人の理想に合わせる美容整形とは大きく目的が異なる。

先生は、“形成外科=精神外科(体表の異常による精神的苦痛から患者さんを解放する外科医)”という恩師の言葉に興味をもって、この道に進まれた。

クリニックで対応できる形成外科疾患… 形成外科の対象となる病変や年齢層も非常に幅広いが、クリニック(開業医)で診ることのできる分野も比較的広い。また、新しい器機を導入して、身体にメスをいれずに病変を治癒させることにも取り組んでいる。

ちょっとした切り傷でも… 体表の複雑な傷や、小さくても目元など将来的に問題になりそうな部位の創などについては、早めに形成外科を受診してもらったほうがいいとアドバイス。

さまざまな挑戦… 独自の化粧水を開発されたり、進行がんに対する大量ビタミンC点滴療法の成績なども紹介。

形成外科で開業している先生から身近に話を聞ける機会は少ないので、実際の病変の治療前後の写真を見せながらの説明や、全く異なる視点での治療法などが聞く事ができて、とても参考になった。

大量ビタミンC療法の治療費の質問があり、残念ながら、まだ保険でカバーされないので、月30,000円弱だとか。

お話が上手な二人の先生の講演を聞いて、あっという間に2時間が過ぎた。
講演後にも、出入口で講師の先生に直接いろいろ質問している参加者もいらっしゃって、今回の公開市民講座は有意義だったようだ。

参照:http://nagasaki-ajisai.jp/activity-report
あじさいプロジェクト、長崎大学メディカルワークライフバランス


参加者アンケート結果
  当日の参加者から頂いたアンケートの回答結果は以下のとおりであった。(回収率 73%:63/86)
 
 
 
 
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